旧社会では、天人合一は多くの武術の最終目標でした。
しかし天人合一にはいろいろな解釈があり、この概念は抽象的すぎて分かりにくいです。
意拳の創始者王薌齋は生前、天人合一の方法を大分具体的に説明していました。
王薌齋の説明の素晴らしいところは、概念を教えるだけでなく実際に身体で宇宙と一体になる感覚を出す方法を教えている事です。
しかし意拳の爭力や矛盾力を感じる事が出来ない人には実践するのが難しいです。
王薌齋の説明した天人合一の方法は以下の通りです。
宇宙と一体になるのを感じたければ、まずは、自分の全身の周りの空気の爭力を感じる事です。
一番爭力を感じやすいのは、手や腕なのでまず、手と腕を取り巻く空気の圧力を感じます。
徐々に全身の周りの空気の圧力を感じるようにすると全身に矛盾力を感じる事が出来ます。
こうなると全身を取り巻く空気と自分の身体が一体になった感覚が出てきます。
しばらくすると全身が大気に溶け込んで自分の身体が全宇宙と一体化した感覚が出ます。
これは立っていても座っていても寝転んでいても出来ます。
王薌齋はこの天人合一の方法を站樁(タントウ)をする時の意念活動の一つとして天人合一活動と呼んでいました。
最後に:
天人合一とは、旧中国において人間が宇宙と一体となる事で、それがどんな道でも最終的に到達する境地という思想です。
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